バンコクの学校選び|日本人学校とインターナショナルスクールを10項目で比較

バンコク駐在で子どもの学校を選ぶとき、多くの家庭が「日本人学校かインターナショナルスクールか」で悩みます。

日本の学習を継続できる日本人学校と、英語を使って学ぶインターナショナルスクール。どちらにも長所と注意点があり、すべての子どもに共通する正解はありません。

「英語を話せるようにしたいからインター」「数年後に日本へ帰るから日本人学校」と、条件を一つだけ見て決めると、入学後に想定外の負担が生じることがあります。

この記事では、タイの日本人向け教育現場と教育事業に関わってきた経験を踏まえ、バンコク日本人学校とインターナショナルスクールを10項目で比較します。

最終更新:2026年7月

先に結論

日本の学校へ戻る可能性が高く、日本語での学習を安定して続けたい家庭は、日本人学校を中心に検討しやすいでしょう。

長期間の海外生活を予定し、家庭でも英語学習と日本語維持を支えられる家庭は、インターナショナルスクールが選択肢になります。

ただし、学校種別だけで決めず、子どもの性格、現在の語学力、帰国時期、通学、学費補助まで確認する必要があります。

バンコクの子どもの学校にはどのような選択肢がある?

バンコクで暮らす日本人家庭が主に検討するのは、次の2つです。

  • 泰日協会学校バンコク校、通称バンコク日本人学校
  • バンコク市内や近郊のインターナショナルスクール

家庭によっては、タイの現地校、日英バイリンガル校、オンライン教育、ホームスクールなどを検討する場合もあります。

インターナショナルスクールは、一つの共通した教育制度ではありません。英国式、米国式、IB、各国式など、学校によってカリキュラム、学年区分、評価方法、入学条件が異なります。

ISATでタイの国際教育制度を確認する

そのため、「日本人学校とインター」を比較するだけでなく、インターを選ぶ場合は、学校ごとの違いまで確認する必要があります。

日本人学校とインターナショナルスクールの比較表

比較項目 日本人学校 インターナショナルスクール
主な授業言語 日本語 主に英語。学校により異なる
学習課程 日本の学習との連続性を保ちやすい 英国式、米国式、IBなど学校ごとに異なる
英語環境 学校外で補う必要がある場合が多い 授業と学校生活で英語を使用する
帰国後の接続 日本の学校へ戻りやすい 日本語教科と受験準備を別に行う場合がある
学費 公式料金と会社補助を確認 学校差が大きく、諸費用も確認が必要
入学条件 学校の入学・編入条件を確認 英語力、年齢、面接、試験など学校ごとに異なる
友人関係 日本語で関係を築きやすい 多国籍環境だが、適応には個人差がある
保護者の負担 日本の学校文化に近い 英語での連絡や学習支援が必要な場合がある

表は一般的な傾向です。同じインターナショナルスクールでも、学校によって教育方針や支援体制は大きく異なります。

1.赴任期間と帰国する学年で考える

最初に確認したいのは、何年間バンコクに滞在し、子どもが何年生で帰国する予定なのかです。

短期間の赴任で日本へ戻る予定がある場合

1年から3年程度で日本の学校へ戻る可能性が高い場合は、日本の学習内容との連続性が重要になります。

特に、中学受験、高校受験、大学受験が近い学年では、帰国後に必要になる教科、履修範囲、入試制度まで確認してください。

日本人学校であれば、日本語で主要教科を学べるため、帰国後の学校へ接続しやすい利点があります。

長期間海外で学ぶ予定がある場合

長期間インターナショナルスクールへ通い、その後も海外の学校や大学への進学を考える場合は、英語による学習を継続できる環境が強みになります。

ただし、赴任期間が予定より早く終わる可能性もあります。

急に日本へ帰国することになった場合に、どの学校へ編入できるか、日本語で教科を学べる状態を維持できるかも考えておきます。

2.「英語を身に付けたい」だけでインターを選ばない

インターナショナルスクールへ入学すれば、自動的に高い英語力が身に付くわけではありません。

授業の内容を理解できない状態が長く続くと、英語だけでなく、算数、理科、社会などの教科学習まで難しくなることがあります。

入学前には、次を確認してください。

  • 現在の英語力で授業へ参加できるか
  • EAL、ELL、ESLなどの英語支援があるか
  • 英語支援に追加料金が必要か
  • 通常授業へ移る基準は何か
  • 保護者が家庭でどの程度支援する必要があるか
  • 入学後に適応できない場合の相談体制

英語力が十分でないこと自体が問題なのではありません。

その子の現在地に合った支援を受けられる学校かどうかが重要です。

海外子女教育振興財団のインターナショナルスクール入学案内を見る

3.日本語で考え、学ぶ力をどう維持するか

インターナショナルスクールを選ぶ場合、日常会話としての日本語だけでなく、教科を学ぶための日本語を維持する必要があります。

家庭で日本語を話していても、漢字、作文、読解、社会や理科の用語は、意識して学ばなければ身に付きにくい場合があります。

家庭で必要になる可能性がある学習

  • 漢字と語彙
  • 日本語の読書
  • 作文と記述問題
  • 日本の算数・数学の学習範囲
  • 日本の理科・社会
  • 帰国後の受験科目

インターの宿題に加えて日本の学習まで行うと、子どもの負担が大きくなることがあります。

「英語も日本語も完璧に」と求めすぎず、帰国時期と将来の進路に応じて優先順位を決めてください。

4.インターナショナルスクールは学校ごとの差が大きい

インターナショナルスクールという名称だけでは、教育内容を判断できません。

確認したいのは、次の項目です。

  • 採用しているカリキュラム
  • 認定・認証機関
  • 卒業時に得られる資格
  • 進学先
  • 教員の資格と定着状況
  • 学級人数
  • 英語学習者への支援
  • 学習面・心理面の支援
  • いじめや安全管理の方針
  • 学年途中の編入条件

タイのインターナショナルスクールについては、タイ国際学校協会の学校情報や認定情報も確認材料になります。

ISATで認定制度を確認する

学校見学では、校舎の豪華さや設備だけでなく、実際の授業、子どもの表情、英語支援、保護者への説明を確認してください。

5.学費は授業料だけで比較しない

日本人学校とインターナショナルスクールの費用を比較するときは、授業料だけで判断しないでください。

確認したい費用

  • 入学金・編入学金
  • 授業料
  • 施設費・設備費
  • 登録料・申請料
  • スクールバス
  • 給食
  • 制服
  • 教材・端末
  • 英語支援
  • 課外活動
  • 校外学習や旅行
  • 退学時の返金条件

会社が学校費用を負担する場合も、すべての費用が対象になるとは限りません。

年間の総額、会社負担の上限、立て替え方法、兄弟分の扱いまで書面で確認してください。

6.通学時間とスクールバスを軽視しない

学校の教育内容が良くても、毎日の通学に長時間かかると、子どもの負担になります。

バンコクでは、距離が短くても渋滞によって移動時間が長くなることがあります。

確認したいこと

  • 朝の乗車時刻
  • 帰宅時刻
  • スクールバスの乗降場所
  • 放課後活動へ参加した日の帰宅方法
  • 渋滞時の所要時間
  • 欠席・早退時の迎え方
  • 緊急時の引き取り方法

学校見学へ行くときは、休日ではなく、できれば平日の登下校時間帯の移動も確認してください。

7.子どもの性格と現在の状態を優先する

保護者にとって魅力的な学校が、その子にとって最適とは限りません。

次の点を考えてください。

  • 新しい環境へ入ることが得意か
  • 分からないことを質問できるか
  • 言葉が通じない状況に強い不安を感じないか
  • 現在の学校生活で困り事があるか
  • 学習に得意・不得意があるか
  • 集団の規模は合っているか
  • 本人はどの学校を希望しているか

「せっかく海外へ行くのだから」と、本人の状態より保護者の期待を優先すると、登校や学習が大きな負担になる場合があります。

年齢に応じて、学校の違いを本人へ説明し、意見を聞いてください。

8.帰国後の入試を早めに確認する

帰国生入試は、学校によって条件が異なります。

  • 海外在住期間
  • 帰国してからの期間
  • 在籍していた学校種別
  • 英語資格
  • 現地校やインターの成績
  • 日本語、小論文、面接
  • 国語、算数・数学などの教科試験

が条件になることがあります。

「インターへ行けば帰国生入試で有利」「日本人学校では帰国生扱いにならない」と一律に判断することはできません。

帰国予定の地域や受験候補校がある場合は、在学中から最新の募集要項を確認してください。

海外子女教育振興財団の帰国生受入校情報を見る

9.保護者が支えられる範囲を考える

学校選びでは、子どもの希望だけでなく、家庭が継続して支えられるかも重要です。

インターを選んだ場合に必要になる可能性があること

  • 英語による学校連絡の確認
  • 保護者面談への参加
  • 家庭学習の支援
  • 日本語学習の継続
  • 帰国後の受験準備
  • 学校行事や課外活動への対応

日本人学校を選んだ場合に考えたいこと

  • 英語やタイ語を学校外でどう学ぶか
  • 大規模校の環境が子どもに合うか
  • 通学やスクールバスの負担
  • 帰国時期と受験準備
  • 海外にいる利点を家庭でどう生かすか

どちらを選んでも、学校へ任せるだけで希望する力がすべて身に付くわけではありません。

10.学校名の評判だけで決めない

駐在家庭の間では、学校、教員、学年、進学実績などの口コミが広がることがあります。

口コミには実体験が含まれる一方、過去の情報、個人との相性、根拠のない噂も混ざります。

次の順で確認してください。

  1. 学校の公式サイトと募集要項を読む
  2. 会社の教育費補助を確認する
  3. 学校説明会や見学へ参加する
  4. 入学担当者へ直接質問する
  5. 現在の保護者から複数の意見を聞く
  6. 最後に子どもとの相性を判断する

一人の口コミだけで「良い学校」「悪い学校」と決めつけないことが大切です。

日本人学校が向いている可能性が高い家庭

  • 数年以内に日本へ帰国する予定がある
  • 日本の学校への円滑な復帰を重視している
  • 中学・高校・大学受験が近い
  • 日本語による教科学習を継続したい
  • 子どもの英語力がまだ十分ではない
  • 新しい環境への適応を慎重に進めたい
  • 学校費用や会社補助を含めて現実的である

バンコク日本人学校の入学、学費、スクールバス、学校生活については、姉妹サイトで詳しく解説しています。

バンコク日本人学校ガイドを見る

泰日協会学校の公式サイトを見る

日本人学校への転入を決めた方へ

必要書類、教科書、スクールバス、学用品、受付日の持ち物まで、転入決定から初登校までに確認したいことを50項目に整理しました。「何か忘れている気がする」という不安を減らし、準備を順番に進めるための実用チェックリストです。

インターナショナルスクールが向いている可能性が高い家庭

  • 長期間の海外生活を予定している
  • 海外の高校や大学への進学を考えている
  • 現在も英語による授業を受けている
  • 子ども本人が英語環境を希望している
  • 家庭で日本語学習を継続できる
  • 会社の学費補助または家計上の準備がある
  • 学校ごとのカリキュラムを比較して選べる

ただし、該当項目が多いから必ずインターが適しているという意味ではありません。

英語支援、通学、学年、子どもの性格を含め、個別に判断してください。

学校を決める前のチェックリスト

□ 赴任予定期間と帰国予定時期を確認した

□ 帰国時の学年と受験の可能性を考えた

□ 子どもの現在の日本語力と英語力を確認した

□ 子ども本人へ学校の違いを説明した

□ 年間費用と会社補助の範囲を確認した

□ 平日の通学時間を確認した

□ 英語学習者への支援内容を確認した

□ 日本語学習を継続する方法を考えた

□ カリキュラムと認定機関を確認した

□ 学習面・心理面の支援体制を確認した

□ 学校見学またはオンライン説明会へ参加した

□ 帰国した場合の編入先と入試条件を調べた

迷ったときは教育相談を利用する

家庭だけで決めにくい場合は、勤務先の教育担当、現在の担任、帰国予定地域の学校、海外子女教育の専門機関などへ相談します。

海外子女教育振興財団では、日本人学校、インターナショナルスクール、帰国後の学校選びなどについて教育相談を受け付けています。

海外子女教育振興財団の教育相談を見る

相談するときは、次の情報を整理しておくと、具体的な助言を受けやすくなります。

  • 子どもの年齢と学年
  • 現在通っている学校
  • 現在の日本語力と英語力
  • 赴任予定期間
  • 帰国予定地域
  • 受験予定
  • 本人の性格と希望
  • 家庭で支援できる範囲

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まとめ|学校の種類より、子どもと将来に合うかで選ぶ

日本人学校とインターナショナルスクールのどちらが優れているかを、一律に決めることはできません。

何年間海外で暮らすのか。

帰国後にどのような教育へ戻るのか。

子どもは現在、どの言語で学べるのか。

家庭は学習と生活をどこまで支えられるのか。

これらを総合して考える必要があります。

インターへ入れれば自動的に英語が身に付き、日本人学校へ入れれば帰国後に何も困らないというわけではありません。

評判やイメージだけで選ばず、学校の公式情報、見学、子どもの希望、帰国後の進路を確認してください。

学校選びの目的は、保護者が理想とする経歴を作ることではありません。

子どもが安心して通い、学びを続けられる環境を選ぶことです。


主な情報確認先
・泰日協会学校
・海外子女教育振興財団
・International Schools Association of Thailand

入学条件、学費、カリキュラム、支援内容は学校や年度によって変更されます。出願前に各校の最新の公式情報をご確認ください。