バンコクへ赴任して最初の1か月は、生活を楽しむ前に、細かな手続きや準備が次々に押し寄せます。
通信、移動、住居、病院、支払い、子どもの学校。日本では当たり前にできていたことでも、言葉や制度が違うタイでは、一つ済ませるだけで疲れてしまうことがあります。
タイで長く生活し、日本人家庭の暮らしや教育に関わってきた経験から感じるのは、最初からすべてを完璧に整える必要はないということです。
まずは、困ったときに連絡できること、安全に移動できること、体調を崩したときに受診できること。この3つを中心に生活の土台を作れば、バンコクでの毎日は少しずつ落ち着いていきます。
この記事では、バンコク赴任後の1か月に優先して確認したいことを、7項目に整理します。
赴任後1か月の優先順位
- スマートフォンと連絡手段を整える
- 安全な移動方法を確保する
- 在留届と住居関係の手続きを確認する
- 病院・保険・緊急連絡先を登録する
- 現金とキャッシュレスの両方を準備する
- 子どもの学校と生活動線を固める
- 自分と家族の安心できる居場所を作る
バンコク赴任後、最初の72時間にやること
到着直後は、家具や日用品を一度に買いそろえるより、まず連絡と移動の手段を確保します。
- タイで利用できる電話番号とデータ通信を準備する
- 自宅の住所を英語とタイ語で保存する
- 会社、家族、住居管理者の連絡先を登録する
- 配車アプリを設定する
- 近くの病院、スーパー、駅の場所を確認する
- パスポートなど重要書類の画像を安全な場所へ保存する
最初の数日で必要なのは、「一人でも自宅へ戻れる」「家族へ連絡できる」「体調不良時に病院へ行ける」状態を作ることです。
1.スマートフォンと連絡手段を整える
バンコク生活では、電話よりもスマートフォンのデータ通信が重要です。
地図、翻訳、配車、学校や会社との連絡、店舗検索など、多くの場面でインターネットを使います。自宅にWi-Fiがあっても、外出中に通信できなければ不便です。
最初に確認すること
- タイで使える電話番号があるか
- 外出中も十分なデータ通信ができるか
- 家族全員が互いの電話番号を登録しているか
- LINEなど、家族内の連絡手段が統一されているか
- 会社、学校、住居管理者からの連絡を受け取れるか
スマートフォンには、自宅の住所を日本語だけでなく、英語またはタイ語でも保存しておきます。
コンドミニアム名には似た名称もあるため、建物名だけでなく、住所、最寄り駅、地図上の位置も登録しておくと安心です。
家族で共有しておきたい情報
自宅住所、保護者の電話番号、勤務先、学校、保険会社、受診予定の病院、緊急連絡先を、家族全員のスマートフォンに登録しておきます。
2.Grabなどを使い、安全な移動方法を確保する
バンコクでは、BTSやMRTだけで行けない場所もあります。子連れでの病院、大きな荷物を持った買い物、雨天時の移動では、配車アプリが役立ちます。
旧記事では「日本語が話せるGrab運転手の裏リスト」を紹介していましたが、個人の連絡先を非公式に共有する方法は、運転手の身元、料金、保険、現在の利用可否を確認しにくいため、このサイトでは推奨しません。
まずはGrabなどの公式アプリを利用し、アプリ内で車両情報、運転手、乗車地点、料金の目安を確認する方が安全です。
乗車前に確認すること
- アプリに表示された車両番号と実際の車両が一致しているか
- 運転手の情報が一致しているか
- 乗車地点と目的地が正しく設定されているか
- 高速道路料金など、別料金が発生する可能性があるか
- 家族に乗車情報を共有できる状態か
子どもだけを知らない車へ乗せたり、アプリを通さず運転手と個人的な送迎契約を結んだりする場合は、会社や学校、信頼できる紹介元を通して条件を確認してください。
3.在留届と住居関係の手続きを確認する
海外へ3か月以上滞在する日本人は、在留届を提出する必要があります。
在留届を提出すると、在タイ日本国大使館などから、安全情報や緊急時の連絡を受け取れます。オンラインで手続きできるため、未提出の場合は早めに確認しましょう。
また、外国人の住居に関するタイ側の届出として、一般にTM30と呼ばれる手続きがあります。通常は家主、住居提供者、ホテルなどが対応しますが、ビザや在留手続きで確認を求められる場合があります。
会社の人事担当者、コンドミニアムの管理者、家主に、次の点を確認してください。
- 住居の届出が完了しているか
- 控えや証明を受け取れるか
- ビザや労働許可に必要な書類は何か
- 家族分も手続きされているか
重要
ビザ、労働許可、住居届出などの条件は、滞在資格や勤務先によって異なります。ブログの情報だけで判断せず、勤務先の担当者とタイ入国管理局の最新案内を確認してください。
4.病院・保険・緊急連絡先を登録する
体調を崩してから病院を探すと、言葉、場所、保険の利用方法が分からず、余計に不安になります。
元気なうちに、自宅から行きやすい病院を一つ決めておきます。子どもがいる家庭では、小児科や夜間対応の有無も確認しておくと安心です。
事前に確認すること
- 自宅から病院までの移動時間
- 日本語通訳や日本語窓口の有無
- 加入している保険を利用できるか
- キャッシュレス診療の条件
- 夜間・休日の受診方法
- 救急時の連絡先
保険証券、保険会社の連絡先、パスポートの画像、服用中の薬、アレルギー情報もスマートフォンへ保存しておきます。
タイの緊急通報は内容によって窓口が異なります。観光警察の緊急窓口は1155で、多言語支援も案内されています。
Thailand Tourist Policeの公式情報を見る
5.現金とキャッシュレスの両方を準備する
バンコクではクレジットカードやスマートフォン決済を利用できる場所が増えていますが、現金が必要になる場面も残っています。
どちらか一つに頼るのではなく、複数の支払い方法を用意しておきます。
- 少額のタイバーツ現金
- 海外利用できるクレジットカード
- 予備のカード
- 現金とカードを分けて保管する方法
- カード紛失時の連絡先
赴任直後は、家具、家電、学校用品、食料品などの支出が重なります。
家計簿を細かく作る必要はありませんが、会社負担になる費用、立て替え後に精算する費用、自己負担の費用を分けて記録しておくと、後から混乱しません。
6.子どもの学校と生活動線を固める
子どもがいる家庭では、学校の手続きだけでなく、毎日の移動方法を実際に確認することが大切です。
- 登校時刻と下校時刻
- スクールバスの乗降場所
- 欠席や遅刻の連絡方法
- 緊急時の引き取り方法
- 昼食、水筒、制服、学用品
- 習い事や塾からの帰宅方法
地図上では近く見えても、バンコクでは渋滞や雨によって移動時間が大きく変わることがあります。平日の登校時間帯に、実際のルートを一度確認しておくと安心です。
バンコク日本人学校への入学・編入、学費、スクールバスなど、教育に関する詳しい情報は姉妹サイトにまとめています。
7.自分と家族の「安心できる場所」を作る
生活上の手続きが終わっても、気持ちがすぐにバンコクへなじむとは限りません。
夫や妻が仕事へ出た後、一人で過ごす時間が急に増える人もいます。子どもも、新しい学校や言葉、人間関係に疲れることがあります。
最初の1か月に、家族それぞれが安心できる場所を一つずつ見つけておくことをおすすめします。
- 一人でも入りやすい近所のカフェ
- 子どもと歩ける公園
- 日本食や必要な物を買えるスーパー
- 定期的に通える運動や習い事
- 困ったときに相談できる知人
- 日本の家族や友人と連絡する時間
大きな日本人コミュニティへ無理に入る必要はありません。
顔を覚えてくれる店、自分のペースで過ごせる場所、本音を話せる人が一つあるだけでも、海外生活の孤独は軽くなります。
バンコク赴任後1か月のチェックリスト
□ タイで使える電話番号と通信環境を準備した
□ 自宅住所を英語またはタイ語で保存した
□ 家族、会社、学校、住居管理者の連絡先を登録した
□ 配車アプリを設定し、一度利用した
□ 在留届を提出または確認した
□ 住居関係の届出を会社や家主に確認した
□ 保険を使える病院を確認した
□ 緊急連絡先を家族で共有した
□ 現金、カード、予備の支払い手段を用意した
□ 子どもの学校への移動経路を確認した
□ 家族それぞれの安心できる場所を見つけた
最初の1か月で、すべてを完璧にしなくていい
バンコクへ来た直後は、何をするにも時間がかかります。
日本なら簡単に済む買い物や手続きでも、言葉、交通、支払い、書類の違いによって疲れてしまうことがあります。
周囲の駐在家庭が楽しそうに見えても、比べる必要はありません。海外生活に慣れる速さは、家族によって違います。
最初の1か月は、観光地を回ったり、知り合いを増やしたりすることより、
困ったときに連絡できること。
安全に家へ戻れること。
体調を崩したときに助けを求められること。
この3つを優先してください。
生活の土台ができれば、バンコクでの楽しみは、その後から少しずつ見つけていけます。
情報確認先
・外務省 オンライン在留届
・在タイ日本国大使館
・タイ入国管理局
・Thailand Tourist Police
・Grab Thailand
制度、連絡先、サービス内容は変更される場合があります。重要な手続きは、勤務先や各機関の公式情報で最新の内容をご確認ください。
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