バンコクのコンドミニアム選び|駐在家族が内見で確認する20項目

バンコク駐在の住居選びでは、部屋の広さやプールの豪華さだけで決めると、入居後に後悔することがあります。

駅までの道が歩きにくい。平日の朝は渋滞で学校や勤務先まで時間がかかる。室内にカビが出る。夜になると周辺の騒音が気になる。修理を頼んでもなかなか対応してもらえない。

内見時には魅力的に見えた部屋でも、実際の生活を始めると、細かな問題が毎日の負担になる場合があります。

この記事では、タイでの家族生活と日本人家庭の教育に関わってきた経験を踏まえ、バンコクでコンドミニアムやアパートを選ぶ際に確認したい20項目をまとめます。

最終更新:2026年7月


バンコクの住居は「物件」より「毎日の生活」で選ぶ

バンコクの日本人家庭が利用する住居には、主に次のような種類があります。

  • コンドミニアム
  • アパートメント
  • サービスアパートメント
  • 一戸建て

同じ建物名でも、部屋ごとに所有者、家具、修理対応、契約条件が異なる場合があります。

建物全体の評判だけでなく、実際に契約する部屋、家主、仲介会社、管理事務所の対応まで確認することが重要です。

特に家族で暮らす場合は、部屋の内装より、次の4点を優先してください。

  • 勤務先と学校へ無理なく通えること
  • 家族が安全に移動できること
  • 室内で健康的に暮らせること
  • 問題が起きたときに修理や相談ができること

日本人居住者が多い環境と少ない環境のどちらが合うか迷っている方は、

日本人が多いコンドミニアムのメリット・デメリットも確認してください。


内見前に決めておく5つの条件

条件を決めずに多くの物件を見ると、豪華な部屋や広いプールに目を奪われ、家庭に必要な条件が分からなくなることがあります。

1.家賃の上限

会社の住宅補助がある場合は、次を確認します。

  • 月額の上限
  • 管理費が含まれるか
  • 光熱費が含まれるか
  • 駐車場代が含まれるか
  • 敷金や前払い家賃の扱い
  • 仲介手数料の負担
  • 予算を超えた場合の自己負担

会社の上限額いっぱいまで使う必要はありません。通勤、学校、病院などの条件が良ければ、設備が少し控えめな物件の方が暮らしやすい場合もあります。

2.通勤時間

地図上の距離だけでなく、平日朝夕の実際の所要時間を確認します。

バンコクでは、数キロの移動でも時間帯や天候によって所要時間が変わります。

3.子どもの通学方法

日本人学校やインターナショナルスクールへ通う場合は、スクールバスの乗降場所、乗車時間、帰宅時刻まで確認します。

4.家族が日常的に使う場所

  • スーパー
  • 病院・薬局
  • 学校
  • 勤務先
  • 公園
  • 習い事や塾

家族の中で最も日中に移動する人の負担も考えてください。

5.譲れない条件

譲れない条件は3つ程度に絞ります。

  • 駅から徒歩圏内
  • スクールバスが利用しやすい
  • 日本語対応の病院へ行きやすい
  • 子どもの遊び場がある
  • ペットを飼える
  • 家具付き
  • 勤務先まで一定時間以内

条件を増やしすぎると、物件が見つからなくなったり、家賃が大きく上がったりします。

1.平日の通勤時間を実際に確認する

内見は、交通量の少ない休日や昼間に行われることがあります。

しかし、実際に重要なのは、平日の出勤・帰宅時間です。

  • 自宅から勤務先まで
  • 自宅から学校まで
  • スクールバスの乗降場所まで
  • 最寄り駅まで

を、実際に利用する時間帯で確認してください。

車通勤の場合は、通常時だけでなく、雨天時や夕方の渋滞も想定します。

2.駅までの距離を「徒歩」で確認する

物件情報に「BTS駅まで徒歩5分」と書かれていても、実際には歩きにくい場合があります。

  • 歩道があるか
  • 歩道が壊れていないか
  • 大きな道路を横断する必要があるか
  • 夜間も明るいか
  • 雨の日に水がたまりやすくないか
  • 子どもと安全に歩けるか
  • ベビーカーを使えるか

を確認します。

BTSやMRTの路線・駅は、公式サイトで最新の情報を確認してください。

BTS公式ルートマップを見る

MRTA公式のMRT路線情報を見る

3.スクールバスの条件を確認する

子どもがいる家庭では、住居と学校の距離だけでなく、スクールバスの条件が重要です。

  • 建物前まで来るか
  • 近隣の集合場所まで歩く必要があるか
  • 朝の乗車時刻
  • 帰宅時刻
  • 乗車時間
  • 放課後活動へ参加した日の帰宅方法
  • 兄弟で学校が違う場合の対応

物件契約前に、学校またはスクールバス運行担当へ確認してください。

学校選びについては、次の記事でも比較しています。

バンコクの学校選び|日本人学校とインターナショナルスクールを比較

4.昼と夜の両方で周辺を確認する

昼間は静かでも、夜になると飲食店、バー、交通、屋外設備などの音が気になる物件があります。

反対に、昼間は周辺工事や学校、店舗の搬入で音が出る場合があります。

可能であれば、契約前に次の時間帯で周辺を確認します。

  • 平日の朝
  • 平日の夕方
  • 休日

5.周辺の工事予定を確認する

内見時に景色が良くても、隣の空き地で建設工事が始まる可能性があります。

  • 隣接地に建設予定の看板がないか
  • 近隣で解体工事が行われていないか
  • 窓から工事現場が見えないか
  • 建物内で改装工事が続いていないか

を確認します。

仲介担当者だけでなく、管理事務所にも質問してください。

6.部屋の向きと暑さを確認する

日当たりが良い部屋でも、午後に強い日差しが入ると室温が上がり、エアコン代や室内の快適さに影響することがあります。

  • 午前と午後のどちらに日が入るか
  • 大きな窓に遮熱カーテンがあるか
  • 寝室が西日を受けないか
  • エアコンを止めた状態で暑すぎないか

を確認してください。

7.カビ・湿気・においを確認する

バンコクでは、高温多湿な環境によって、室内にカビや湿気の問題が生じることがあります。

確認する場所

  • クローゼットの奥
  • ベッドや家具の裏
  • 窓枠
  • 浴室の天井
  • エアコンの吹き出し口
  • キッチン下の収納
  • 壁紙の浮きや変色

芳香剤の香りが強い部屋では、においを隠していないかも確認します。

カビや水漏れの跡がある場合は、原因と修理内容を書面で確認してください。

8.エアコンの状態を確認する

エアコンは、生活費と健康に関わる重要な設備です。

  • すべての部屋で冷房が動くか
  • 異音や水漏れがないか
  • においがしないか
  • 清掃時期はいつか
  • 故障時の修理費を誰が負担するか
  • 定期清掃が契約に含まれるか

を確認します。

入居前清掃やエアコン洗浄を契約条件に入れられるか、仲介担当者へ相談してください。

9.水圧・お湯・排水を確認する

内見時には、実際に蛇口やシャワーを使わせてもらいます。

  • シャワーの水圧
  • お湯が出るまでの時間
  • 温度が安定するか
  • 洗面台やキッチンの排水
  • 排水口からにおいがしないか
  • トイレが正常に流れるか

を確認してください。

10.インターネットと携帯電話の電波を確認する

高層階や部屋の位置によって、携帯電話の電波状況が異なる場合があります。

  • 普段使う通信会社の電波が入るか
  • インターネット回線を契約できるか
  • 建物指定の通信会社があるか
  • 工事や開通まで何日かかるか
  • 在宅勤務に必要な速度を確保できるか

を確認します。

内見中に、自分のスマートフォンで通信や通話を試してください。

11.光熱費の請求方法を確認する

電気や水道は、電力会社などへ直接支払う物件と、建物や家主を通じて支払う物件があります。

契約前に、次を確認してください。

  • 電気代の請求元
  • 水道代の計算方法
  • メーターの有無
  • 請求書や明細を確認できるか
  • インターネット代
  • 管理費
  • 駐車場代
  • 退去時の最終精算方法

「家賃以外に毎月いくら必要か」を一覧にしてもらうと比較しやすくなります。

12.家具・家電を一つずつ動作確認する

家具付き物件では、次の設備を確認します。

  • 冷蔵庫
  • 洗濯機
  • 電子レンジ
  • 給湯器
  • テレビ
  • コンロ
  • 換気扇
  • 照明
  • カーテン
  • ベッドやソファ

壊れた設備、傷、汚れは、入居前に写真と一覧で記録します。

退去時に元からあった傷を自分の責任とされないよう、家主や仲介担当者と共有してください。

13.収納の量と使いやすさを確認する

部屋が広くても、収納が少ない物件があります。

  • 家族全員の衣類
  • スーツケース
  • 学校用品
  • 掃除用品
  • 食料品
  • 季節用品

を収納できるか確認してください。

クローゼットは、広さだけでなく、湿気やにおいも確認します。

14.子どもの安全を確認する

子どもがいる家庭では、次を重点的に確認します。

  • ベランダの柵の高さと隙間
  • 窓の開閉範囲
  • 玄関の鍵
  • 階段や段差
  • コンセント
  • プールの監視体制
  • 遊び場の管理
  • エレベーターの利用方法
  • 非常口までの経路

高層階では、窓やベランダの安全対策を特に確認してください。

15.防犯設備を確認する

在タイ日本国大使館は、住居選びの防犯上の確認事項として、守衛、監視カメラ、十分な照明、錠などを挙げています。

  • 24時間の守衛がいるか
  • 出入口を誰でも通れないか
  • 監視カメラがあるか
  • 廊下や駐車場が明るいか
  • エレベーターにカード認証があるか
  • 来訪者をどのように確認するか
  • 玄関の錠を交換または追加できるか
  • 貴重品を保管できる場所があるか

を確認します。

錠を交換・追加する場合は、契約や建物規則を確認し、家主の承諾を得てください。

在タイ日本国大使館「安全の手引き 2026年版」を見る

16.火災・災害時の避難経路を確認する

内見時に、部屋から非常口まで実際に歩いてみます。

  • 非常口の位置
  • 避難階段が物で塞がれていないか
  • 火災報知器
  • 消火器
  • 非常照明
  • 避難場所
  • 停電時のエレベーター対応

を確認してください。

非常口が施錠されていないか、階段に物が置かれていないかも確認します。

17.管理事務所と修理対応を確認する

物件の快適さは、設備だけでなく、問題が起きたときの対応で決まります。

  • 管理事務所の営業時間
  • 夜間や休日の緊急連絡先
  • 日本語または英語で連絡できるか
  • エアコンや水漏れの修理窓口
  • 家主と管理事務所の役割分担
  • 過去の修理履歴
  • 修理費の負担区分

を確認します。

「何かあれば対応します」という口頭説明だけでなく、契約書や連絡先を確認してください。

18.契約書の重要項目を確認する

契約書が英語やタイ語の場合でも、内容を理解せずに署名しないでください。

特に確認したい項目

  • 契約期間
  • 月額家賃
  • 敷金・前払い家賃
  • 支払日と支払方法
  • 契約更新の方法
  • 途中解約の条件
  • 転勤や本帰国時の扱い
  • 退去通知の期限
  • 敷金返還の時期と条件
  • 修理費の負担
  • 退去時の清掃費
  • 家具・設備の一覧
  • ペットや来客に関する規則
  • 法人契約・個人契約の違い

勤務先が契約する場合は、会社の担当者にも内容を確認してもらいます。

赴任期間が短縮される可能性がある場合は、転勤や本帰国による途中解約条項を確認してください。

19.家主・仲介会社・振込先を確認する

契約前に、誰と契約し、誰へ家賃を支払うのかを確認します。

  • 契約上の家主名
  • 物件所有者との関係
  • 仲介会社の会社名と連絡先
  • 家賃振込口座の名義
  • 領収書や支払証明の発行
  • 修理連絡先
  • 退去時の立ち会い担当者

契約直前に別の個人口座へ送金するよう求められた場合などは、勤務先や仲介会社の公式窓口へ確認してください。

20.TM30の対応を確認する

タイでは、外国人を宿泊させる家主、住居所有者、ホテル管理者などに、入居した外国人の住居を入国管理当局へ届け出る手続きがあります。一般にTM30と呼ばれています。

タイ入国管理局の案内では、外国人が入居してから24時間以内の届出が定められています。

通常は家主や住居提供者側が行いますが、ビザ、90日報告、滞在手続きなどで届出の証明を求められる場合があるため、入居前に確認してください。

  • 家主がTM30を行うか
  • 家族全員を届け出るか
  • 届出後の証明を受け取れるか
  • 一時帰国後に再度手続きが必要か
  • 転居時に誰が対応するか

タイ入国管理局のTM30公式案内を見る

注意
TM30、ビザ、90日報告などの扱いは、滞在状況や出入国によって異なる場合があります。勤務先の担当者とタイ入国管理局の最新情報を確認してください。

内見時の20項目チェックリスト

□ 平日の通勤時間を確認した

□ 駅まで実際に歩いた

□ スクールバスの条件を確認した

□ 昼と夜の周辺環境を確認した

□ 周辺の工事予定を確認した

□ 日当たりと室内の暑さを確認した

□ カビ、湿気、においを確認した

□ エアコンをすべて動かした

□ 水圧、お湯、排水を確認した

□ 携帯電話とインターネットを確認した

□ 光熱費の請求方法を確認した

□ 家具・家電を動作確認した

□ 収納量を確認した

□ 子どもの安全設備を確認した

□ 守衛、カメラ、照明、鍵を確認した

□ 非常口と避難階段を確認した

□ 管理事務所と修理対応を確認した

□ 契約期間と途中解約条件を確認した

□ 家主、仲介会社、振込先を確認した

□ TM30の担当者と証明の受取方法を確認した

候補物件を比較する簡単な方法

候補が複数ある場合は、感覚だけで決めず、家庭にとって重要な項目を点数化します。

項目 重要度 物件A 物件B
通勤・通学 5
安全性 5
室内環境 4
管理・修理対応 4
買い物・病院 3
設備・見た目 2

重要度が高い項目で大きな問題がある物件は、プールや内装が魅力的でも慎重に判断してください。

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まとめ|噂ではなく、確認できる条件で住居を選ぶ

バンコクのコンドミニアム選びでは、豪華なロビー、広い部屋、プール、家賃だけで決めないことが大切です。

平日の通勤と通学。

駅までの実際の歩きやすさ。

カビ、暑さ、水回りなどの室内環境。

守衛、監視カメラ、鍵などの防犯。

修理対応と契約条件。

TM30など入居後の手続き。

これらを一つずつ確認してください。

根拠を確認できない噂や、一人の口コミだけで特定物件を良い・悪いと決めるべきではありません。

家族が平日の生活を安全に、無理なく続けられるかどうか。それが住居選びで最も重要な基準です。


主な情報確認先
・在タイ日本国大使館「安全の手引き 2026年版」
・タイ入国管理局 TM30公式案内
・BTS Skytrain
・Mass Rapid Transit Authority of Thailand

交通路線、契約条件、住居手続きなどは変更される場合があります。契約前に勤務先、仲介会社、家主、管理事務所、関係機関の最新情報をご確認ください。